SSMである、仲間のちゆきさまがマリンバ教則本を出版しました。『マリンバ スケール レッスン』です。ちゆきさまの2冊めの教本となる『マリンバ スケール レッスン』、仲間と言う事もあるけど、それを差し引いても興味深い内容なのでご紹介させていただきますね。

前回のちゆき初の教本「いちばんやさしいマリンバレッスン」
http://homepage2.nifty.com/unzari/talk200512.html#Anchor-2005.12.20-49575
では、初めてマリンバに触れた人たちが恐れずにトライできる内容と構成で、小学生からご年配の方まで無理なく上達するための栄養がつく本でした。
今回は「いちばんやさしいマリンバレッスン」をふまえて、ステップアップをするために必要不可欠なテクニックである、スケールを題材とした内容です。前作よりもずっとちゆきの想いがはっきりとしていて、長調と短調の全ての調性を省略する事なく網羅し、調性が持つ音楽的な個性を感覚的に掴んでもらおうというコンセプトは誰にでも伝わります。
こういう切り口の教本は他にありません。マリンバの教本は星の数ほどありますが、誰もが避けて通りたい単純作業でもあるスケールトレーニングを視覚的.・感覚的に身に付けるために心血を注いだこの本は目からウロコです!

パーカッションやマリンバは、叩いたら音が出るだけに、他の楽器だったら自然と見につく音楽的要素が欠落してしまう弱点があります。
管楽器や弦楽器は楽器の特性から調性については、大きな意味合いやこだわりがありますが、マリンバ(やピアノもそうだと思う)は、調性感がなくても演奏に支障がない(それは長所でもありますが)ので、技術的トレーニングに偏ったことばかりに目がいってしまうのが実情。
スケールは技術的トレーニングの王様ですよね?ピアノのスケールエチュードであるハノンは指のトレーニングとして利用しますが、そこに調性感までもちこんだレッスンを受けた人は少ないでしょう。「そのトレーニングにこそ音を感じ取る感覚を!」というちゆきのメッセージに彩られたこの本は、とてもとても大きな意味を持っていると感じます。
「いちばんやさしいマリンバレッスン」との共通点は多くの作品を取り上げている事。
全ての調性に作品が掲載されています。ホントに大変な作業なんですこれは!絶対音感のないオイラには到底マネができないだけでなく、権利などの問題をクリアして、しかも有名で美しい作品が並んでいるのは驚きだし、「この曲を美しく弾くにはこのスケール練習ですよ」という、シンプルなスタイルは、スケールトレーニングの目的を見失わせないで、楽しく取り組んで欲しいというちゆきさまの愛情の現れだと感じます。
楽器の練習は外科的トレーニングと漢方的トレーニングに分ける必要があるんです。自分の身体をマシンと捉えて、うまく動かないところを鍛えていく外科的トレーニングは、音楽を創る・歌う漢方的トレーニングを一線を画すと言うのが日本の音楽教育の基本スタイルでした。
でもそのためにどっちかに偏ってしまっている、バランスの悪い上達をしてしまうことがよくあります。オイラも中学の時はとにかく速く叩ける事が全てだと思っていました。違うんですね、全てのトレーニングは「歌う」ための栄養となる、その目的を向いているべきで、それはつまり自分を見つめる作業でなくてはなりません。
マリンバは今や多くのみなさんが親しんでくれる楽器として根付きはじめています。マリンバ教室も増えたし、マリンバで音大を目指す人もすごく増えてきました。同時に教本や曲集も選びきれない数が出版されています。ディズニーやジブリの曲集などもある中で、この教本はなかなか売れない気がします(ちゆきごめん!)。でもできれば10年20年と長いスパンで販売を続けて欲しいと強く希望します。この教本に触れた人とそうでない人には必ず大きな差が生まれると思うからです。
二ツ木千由紀 著 / マリンバ スケール レッスン
オンキョウパブリッシュ 1500円
こんな本を企画したちゆきさまと、出版社に心より感謝いたします!
最近のコメント